カンダール州事業進捗ご報告と対象世帯のご紹介

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カンダール州での事業継続の御礼と事業進捗のご報告

皆様の温かいご支援のおかげをもちまして、2013年10月より開始しました、カンボジア国カンダール州における最貧困世帯の農業及び教育支援事業を継続中です。これまでのご支援に深く感謝申し上げます。

AICAの対象世帯

AICAの対象世帯

 

事業名:カンボジア国カンダール州における持続可能な農業技術支援及び環境教育事業~国際エコロジカルヴィレッジセンターを中心とした環境モデル地区の創造をめざして~

対象:カンダール州の最貧困世帯300世帯及びオーチュン村村民

【2013年10月~2014年2月】

2013年10月にAICAの現地スタッフを雇用し、パートナーNGO、CEDACと契約を結びました。それから2014年2月にかけて対象村と村落普及員を選定しました。AICAの事業の対象世帯になるには、「最貧困」の基準があります。一つの村に8世帯以上最貧困がいる村を、事業村として選定します。

事業地は、村によって様子がかなり異なります。貧しい地域では、1村あたり40世帯の最貧困層がいる村がある一方、1村あたり8世帯しか最貧困世帯が見つからない村もあります。1村あたりの対象世帯が多い村は、村落普及員を複数人育成します。

最貧困の基準にあう世帯を正確に見つけることは、実はそれほど簡単ではありません。過去の経験では、どうしても基準を甘くしてしまうスタッフがいましたが、今回のスタッフはとても真面目に正確に対象世帯を選定してくれたことが、2014年3月のカンボジア出張時に確認できました。

家の手伝いをする対象世帯の子どもたち。

家の手伝いをする対象世帯の子どもたち。

【2014年3月~普及員の選定とトレーニング開始】

村落普及員は事業の成功の鍵です。読み書きができる篤農家で、最貧困世帯に人気のある人を選びます。3月から村落普及員と最貧困世帯のトレーニングを開始しました。

【2014年9月(指導開始7か月)の農業支援の成果】

3月に村落普及員と対象世帯(約300世帯)の指導開始して以来7か月間が経過しました。7か月間で、66%の対象世帯が養鶏、53%が鳥小屋作り、57%が野菜作りを実施しました。1年目は、50%の対象世帯が活動するという目標を立てていましたので、これは達成することができました。養鶏は病気のリスクが高いのですが、それを防ぐための鶏の自然薬を7か月間で22%の農家が実践し始めたことは評価できると思います。

【最貧困世帯を諦めない】

本事業は、AICAのスタッフが直接最貧困農家へ指導を行うのではなく、村の篤農家を普及員として育成し、最貧困家庭と篤農家の結びつきを強くしながら、技術を普及する点が重要です。事業後の継続性を確保するためには、スタッフが手取り足取り最貧困家庭の畑を耕すのではなく、対象世帯自身の動機づけを行う必要があります。

事業に参加したいと表明したものの、7か月たっても教えた技術を1つも実践しない世帯は43世帯(15%)です。AICA現地スタッフと村落普及員、対象世帯が信頼関係を構築し、これらの15%を動機づけして参ります。

これまでの経験から、7か月で全く活動しない世帯が15%なのは、事業が円滑に進んでいると評価できます。農業を実践しない理由は、出稼ぎで多忙、病気、無気力等様々な理由があり、これは最貧困世帯の支援を行う上では、必ずついて回る問題です。しかし、色々な理由はあるものの、教育の重要性と農業による収入向上の効果がわかると、実践を始める世帯もいます。こうした困難さを抱える最貧困世帯を諦めず、最も支援を必要とする世帯に対して、あと1年間でこれらの世帯に教育の重要性、農業による生活向上、栄養改善など様々なメリットを説き、実践を促します。(ただし、あまりにも長期にわたる支援は、かえって依存を生んでしまいますので、2015年の9月末で本事業は終了予定です。)
AICA 対象世帯のご紹介(養鶏)
ヨンさん(32歳)

養鶏を開始したヨンさん 手に持っているEM菌を与えると鶏が病気になりにくく、早く成長する。フェンスやひよこ用の小屋もよい。

養鶏を開始したヨンさん 手に持っているEM菌を与えると鶏が病気になりにくく、早く成長する。フェンスやひよこ用の小屋もよい。

AICAから養鶏方法(EM、自然薬含む)を学び、養鶏を始めました。

1.鳥小屋の設置:3つの小屋を設置しました。1m×1.5m、2m×2mと、2.5m×2.5mのものです。大きい小屋は雌鶏を飼い、卵を産んでもらいます。特筆すべきは、鳥小屋の周りにさらに大きくフェンスで囲ったことです(通常カンボジアの鶏はフェンスがなくて歩き回っています)。フェンスがあれば、鶏が歩き回って病気に感染するのを防ぐことができます。

2.品種の選択:カンボジアの固有種を選択しました。黄色い脚で、重さがあり、健康で卵をたくさん産む品種です。

3.鶏の世話:孵化したら、24時間は何も与えません。そして市場で売っている壊れた米のえさを与えます。

一か月後、小さな鳥小屋にヒヨコを移します。めんどりに次の卵を早く生んでもらうためです。寒いときはヒヨコや小さい鶏の入っている鳥小屋(小と中)は、布で覆いあたためます。乾季には、鳥小屋の周りに水をまいて、暑さから守ります。

4.自然薬:乾季は、病気から守る為水にある特定の木の皮を入れます。一晩経ったら新しい水に交換します。雨季は、さらに水にニンニクやレモングラスも入れます。これ以外に、病気から守るために様々な薬草やアルコール、サソリなどから自然薬を作ります。自然薬は生後15日で0.3cc、重量が0.5kgになったら、0.5cc、1kg以上になったら1ccを2週間に1回与えます。

5.鳥小屋の掃除:毎日鳥小屋を掃除して糞を集めます。病気を防ぐために清潔さを保つことはとても重要です。

6.エサ:生後1か月したら市場でえさを買ってくるのはやめます。おかゆに草や米ぬかをまぜたものを与えます。鶏の成長を早めるために、マンゴーや、パパイヤ、バナナなど完熟したフルーツで作るEMを与えます。フルーツ3kgに対してヤシ砂糖1kgを使います。

■対象世帯ヨンさんより:「プロジェクトに参加することができてとても満足しています。プロジェクトの前より鶏の成長が早くなり、死亡率も下がりました。よい技術を教えてくれて、生活を向上させるという目標を与えてくれてありがとうございます。」