プロジェクト終了の御礼とご報告

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2013年10月より開始しました、カンダール州での事業が2015年9月末、無事に終了いたしました。団体設立以来、多くの皆様にご支援いただきました。すべての皆様に感謝申し上げます。

当会の事業は日本人はできる限り黒子となるのを信条とし、カンボジアの最貧困世帯の方々や、村の普及員の皆様自身が自ら活動するのをサポートするよう努めて参りました。対象世帯、そして普及員や当会の現地スタッフの努力が実り、多くの対象世帯が持続可能な農業技術を習得することができました。本事業で得た技術を用いて、生活を向上させ、教育を継続し、家族みんなで健康に暮らしていけるようになることを願っています。

本事業では、農業技術指導の他、エコセンターをカンボジアの農村に開設しました。日本人ボランティアが現地で環境教育や村人との交流する中で、日本での生活のあり方や豊かさとは何かを問い直し、カンボジアの人々から多くを学ぶことができました。協力してくださったカンボジアの人々、日本人ボランティア、ご助言くださった環境教育の専門家の皆様、ありがとうございました。

野菜作りの面白さに目覚めて土地を借りて畑を拡大した対象世帯。今では他のNGOが模範農家として、見学にやってくるようになった。

野菜作りの面白さに目覚めて土地を借りて畑を拡大した対象世帯。今では他のNGOが模範農家として、見学にやってくるようになった。

◆事業名:カンボジア国カンダール州における持続可能な農業技術支援及び環境教育事業

~国際エコロジカルヴィレッジセンターを中心とした環境モデル地区の創造をめざして~

◆主な事業地:カンボジア国カンダール州カンダールストゥン郡、サアーン郡

事業概要

活動の目的

持続可能な農業技術の普及~環境と開発双方に便益のあるコベネフィットアプローチによる挑戦~

本事業の目的は、持続可能な農業技術を普及し、環境教育を行う人材を育成し環境便益を得ることである。気候変動問題は既に顕在化した問題として認識されており、解決には途上国と先進国双方による国際協力は不可欠で先進国のみによる対策の効果は限定的である。しかし、多くの開発途上国では、国内に重要な開発課題を抱え、先進国のように気候変動のみに焦点をあてた対策をする余裕がない。この途上国と先進国の異なる事情とニーズに応え、貧困と環境の悪循環を断つためにコベネフィット型アプローチが必要であるため当会は人々にとって「一石二鳥」となる取り組みを行う。

急速な経済発展と急がれる環境教育(エネルギーと発展の在り方に関する情報への高いニーズ)

カンボジアにおいては近年都市部は急速に経済発展を遂げて貧富の格差が広がり、エネルギー消費が増大している。一方、農村部では貧困問題が解決されないまま残っているほか、今後のエネルギー選択を含めた発展に対する心構えという喫緊の重要課題がある。持続可能な発展のための環境理解教育は、貧困軽減と同様に差し迫ったニーズの高い課題である。

先進国のボトムアップの環境意識の浸透も問題解決には不可欠

また、現在膨大なエネルギー消費を行っている先進国の意識を変えずに環境問題を解決することは不可能である。カンボジアの取り組みを知り、日本や先進国の人々が学ぶ中で、私たち自身の選択が気候変動問題を解決する上で不可欠であり、市民一人一人がグローバルガバナンスの重要なアクターであることをわかりやすく伝え、地球規模の喫緊の課題である気候変動問題の解決に貢献する。

 

活動内容

持続可能な農業技術の普及と環境教育

1)村落普及員の育成(26村29名)

持続可能な農業技術を普及し、事業終了後も村にノウハウを残すため、各村に村落普及員を育成する。月1回AICA現地スタッフによる集団トレーニング。スタッフは月に1回、全世帯進捗チェックを行う。その際対象世帯の栽培に関する問題を発見したら、普及員に修正させるよう指導。

2)カンボジア国カンダール州の最貧困家庭286世帯に対して持続可能な農業技術(野菜作り、米の収穫量が増えるSRI農法、養鶏、鶏の自然薬、EM菌、堆肥、液体肥料、井戸・ため池掘りなど水源確保)の研修を行う。対象世帯への研修は各村の普及員が行う(月に1回の集団研修と月に2回の全世帯家庭訪問)

3)カンボジア語による環境教育絵本を900冊製作、それを用いた「持続可能な農業と環境」のワークショップの実施(対象は最貧困家庭と、エコセンター及び近隣の小学校)

環境モデル地区を目指して

4)環境理解の拠点となるエコセンターの設立

カンダール州の現地NGO(CIFTO)の一画をエコセンターとして整備。啓発パネルの掲示、日本人ボランティアによるワークショップの実施、外国人訪問者、村人、村の子どもたちが一緒に考える場を設立した。

5)環境モデル村の形成準備

持続可能な農業に取り組む現地NGOと環境教育に熱心な学校を中心に、環境モデル村としての発展について協議した。

日本人による先進国の環境意識の向上

大学等と連携し環境教育に関心のある日本人を募る。カンボジアへ変化を促す中で本当にエネルギーを大量消費しているのは我々であると気付く。

 

活動成果

・最貧困世帯の96%(286世帯中、274世帯)が研修した技術を実践した。

・最貧困世帯286世帯中、野菜作りを220世帯(77%)養鶏を233世帯 (81%) が実施し、目標の7割を超えた鳥小屋作りも200世帯(70%)が実践。鶏の盗難や死亡を防ぐことが可能になった。

活動詳細

・29人の村落普及員に対して計57回の集団研修を現地スタッフが実施し、農業技術と環境教育を実施した。参加率は約9割に達した。

・286世帯の最貧困世帯をAICA現地スタッフが月に1回、村落普及員が月に2回訪問した。

・286世帯に野菜作りを開始するための野菜の種を支給した。

・900冊の環境教育絵本を製作、配布した。絵本を用いた環境教育を対象世帯と近隣の小学校で実施

・日本人ボランティアによるカンボジアでの環境教育ワークショップを3回実施した。

・日本人ボランティアによる日本での帰国報告会1回

・オーガニック野菜生産者グループ視察1回

・オーガニックショップニーズ調査、販売同行研修、生産者シンポジウム等多数実施、参加した。

 

事業経過の記事は下記からご覧いただけます。

◆事業経過ご報告◆

持続可能な農業技術指導(2013年10月~2014年9月)、進捗及び対象世帯のご紹介

エコセンターの開設と日本人ボランティアによる環境教育(2014年3月)

ノウハウを村に残す~村落普及員の育成開始(2014年2月)

エコモデル村を目指して~区長との会議報告~(2013年12月)

エコモデル村構想~パートナーNGOとの三者会議とオーガニック店視察(2013年10月)

エコモデル村を目指して~オーガニック野菜共同販売グループ調査@コンポンチュナン州(2013年10月)

行政との連携~事業地の選定につきカンダールストゥン市長と協議