2015年1月、カンボジアの農村の啓発活動に使用するオリジナル絵本が完成しました。
ストーリーづくりなどに協力してくださった谷口氏から下記のとおり素敵なご紹介をいただきましたので、許可を得て掲載させていただきます。
国際協力NGO・AICAが企画・製作した絵本が完成しました。
カンボジアでは、「マリンコンヴィァル」という子どもの精霊が信じられています。 この精霊は、子どもがいる家に幸福をもたらしますが、遊んでくれないとイタズラもするという日本でいう座敷わらしで、赤いクメールズボンをはいた裸の子どもの姿とされています。
絵本では、このマリンコンが農村の貧しい家庭の子どものもとへやってきたことをきっかけに、家族が農業技術の習得などに取り組み始め、家庭環境が改善されていくという物語になっています。
AICAは、カンボジア農村部で最貧困家庭への農業技術指導や環境教育、教育普及支援を行っていて、この絵本もそうした家庭や教育機関へ配付して啓発活動を進めることを目的としてつくられました。
▼表紙と内容見本、「マリンコンがやってきた!」 絵は、チョークアート作家のまつむらゆうこさん。 画材はチョークという独特のタッチが面白いです。
▼日本語も併記してあります。
▼プノンペンで配付されている 「ニョニュム」 という日本語のフリーペーパーで
マリンコンが紹介されたことがあり、そういう信仰があることを知りました。
▼これはマリンコンを召喚する祭壇。軒先などに吊るして祀ります。
▼ザルの上に高床式住居、カンボジアの伝統的な住宅形式です。
ザルにはお菓子や子どものよろこぶおもちゃなどを供えます。
赤いズボンをかたどった紙(布)や水を供える竹筒などをぶらさげます。
▼シェムリアップのゲストハウスにあったものです。
▼プノンペン市内のスラムで見つけたマリンコン祭壇。
廃物利用のあり合わせっぽいですが、子どもの健やかな成長を願う気持ちは同じですね。
▼マリンコン人形。坐像は高さ14センチ、立像は高さ12センチ。
合成樹脂製。
◆御礼◆
三井物産環境基金と絵本募金にご協力いただいております皆様に深く感謝申し上げます。
また、絵本の製作に多大なるご尽力をいただきました、チョークアート作家のまつむらゆうこ様、映像ディレクター谷口悌三様、翻訳者のキム・ダーラー様、大勢のボランティアの皆様、ありがとうございました。
◆今後の絵本の活用◆
■普及員から最貧困世帯へ
AICAの農業と教育事業の受益者である最貧困世帯に、この絵本を通じて農業を通じた学ぶ喜び、持続可能な農業での生活の向上、環境に良い農業をする意味などを伝えて参ります。具体的には各村にいる農業普及員にこの絵本を使った環境教育のトレーニングを行い、各対象世帯に広めて参ります。
■教育機関との連携
カンボジアの教育機関に依頼して絵本の講座を開催します。
■カンボジアの教育NGOとの連携
現地の教育NGOと連携して子どもたちに読み聞かせを実施します。
◆絵本販売と絵本募金のご協力のお願い◆
今後も増刷、配布のために募金を継続したいと存じます。
絵本販売:絵本1部1000円です。
カンボジアやAICAの活動のご理解の一助となりましたら幸いです。
絵本募金:カンボジアの子どもたちに1冊でも多く届けるため、ご寄付のご協力をお願いいたします。1万円以上ご寄付いただきました方は、1万円につき絵本5冊にご寄付者の方のお写真を添付させていただきます(任意。ご希望の方はお写真をAICAまでお送りください)。
※このページの写真はすべて谷口悌三氏の撮影です。