事業概要

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事業名 コンポンチュナン州における初等教育普及および農業技術支援事業(AICA-1)

開始日 2011年4月 終了日 2013年3月 期間 2年間
連携団体名 CEDAC (Cambodian Center for Study and Development in Agriculture)

事業目的(事業全体として目指す成果)

概要

本事業は、コンポンチュナン州における30村の全ての子どもたちが
小学校を修了するための恒久的な状況を創出することを目的とする。
本事業では、同州の30村で、6歳から11歳の子どもがいる家庭を対象に
教育普及活動を実施する。また、貧困のために子どもを学校に通わせられない
最貧困家庭、約300世帯を対象として、農業技術支援を行う。持続可能性および
自律発展性を確保するため、州及び郡の教育省と連携する。
全30村における、6歳から11歳(入学、進級の遅れにより12歳以上で小学校に在籍している
児童も対象とする)の子どもたち約2700名※(1村あたり約90名)が、毎日小学校に継続的に
通えるように、以下の活動を実施する。

1. 6-12歳までの子どもの教育に関する状況調査活動
(村地図作成、村家族調査票、クラスでのアンケート、子どもグループへの聞き取り)
2. 保護者に対する教育の重要性の啓発活動(先生による家庭訪問と教育映画の上映)
3. 出席率向上のための集団登校システムの構築(子どもグループの形成)
4. 最貧困家庭(約300世帯)の収入向上のための農業技術指導。
5. 農産物共同販売システム構築

背景(現状、課題、関連事業等)

AICA活動の上位目標は、全ての子どもたちが初等教育を修了し、
夢や希望をもって生きていける社会を実現することである。
カンボジア政府による公式な初等教育の普及率は、約94% と近年非常に高くなっている。
しかし、実際には学校に通っていない児童が多く、学齢期になっても小学校に
登録されていない子どもたちも存在する。
こうした現状に対し、子どもたちが学校に通えない大きな要因(保護者が教育の重要性を
理解していないことや、農村の貧困)に焦点をあて、その解決を目的とする。

これまで、こうした課題の解決のため、企業を経営する篤志家により、
ハッピーマウンテンバード事業(以下HMBとする)が実施された。
2005年から2007年にHMB1、2006年から2008年にHMB2、2008年から2010年にHMB3が
実施された。いずれも成功率が高く、平均7割以上の家庭が農業技術の習得に成功している。
AICA設立者は、2009年12月より5回にわたり、HMB3の活動視察および管理、
HMB1,2の持続可能性調査に個人として携わった。
HMB1,2の調査では、受益者が習得した技術を継続して、
生産量を増加させていることが明らかになった。
家屋の建て替などそのインパクトも確認できた。
また、HMB3では最貧困層が農業技術習得して収入を向上させていく
過程を目の当たりにした。
よって、HMB方式をカンボジアに拡大し、一人でも多くの子どもたちが
学校に通える状況を創設することをめざし、2010年10月に、任意団体AICAを設立し、
活動を開始した。

HMB3では、105村を対象に、最貧困層への農業技術指導が実施されたが、
受益世帯は、1村約5世帯と非常に限られていた。

AICA-1では、上記105村のうち、特に成功の質の高かった30村を選定する。
そして、新たな最貧困家庭を対象として事業を実施する。
農業活動の成功は、各村から選ばれる農業技術指導者(CBF)の質に大きく左右される。
そのため、HMB3で高い成果をあげたCBF30人を選び、AICA-1事業の成功を確実なものとする。

目指す成果

教育普及活動

コンポンチュナン州における30村全ての子どもたちが恒久的に
小学校を修了するシステム(教育に関する状況調査、集団登校)を構築する。
小学校の学齢期児童約2700名(数は概算)が受益者となる

農業技術普及活動

全30村における約300の最貧困世帯の農業生産量と収入が大幅に増加する
(子どもたちが学校へ通える生活の実現)。9項目の新技術の90%を習得。
最貧困家庭 約300世帯が受益者となる。(1村約10世帯:数は概算)

出口戦略、事業終了後の展望予測

州及び郡の教育省と連携し学校が主体となるため、
終了後の継続が期待できる。既に教育普及に尽力している
同国のシステムを活用し、学校や教育行政への過重負荷を避け、
効率化及び活性化を図る。事業終了後も成果が持続するシステムを目指し、
教育普及活動への外部者の関与は、最小限とするよう配慮する。
最貧困の対象家族は、農業技術により収入が向上し、子どもを学校に通わせられるようになり、
それが、事業後も懸命に働き続ける動機付けとなっていることが、HMB1、2で確認できた。

また、このような対象家族を見て、周囲の貧困家庭が農業組合に参加するなどの発展が見込まれる。

参考写真

農業技術指導
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野菜畑。販売して収入向上に。連携NGO代表のコマ氏EM菌の技術指導。身近な素材で作れて、鳥も野菜も元気になる。
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野菜を売って、鳥を飼う。鳥を増して販売して収入向上。貧困層自らが井戸を掘る。水の確保が大切 。
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提供するモノは最初の種のみ。理想の将来像を描く。理想目指して技術を習得。絵で説明するマニュアル。
教育普及
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学校で子どもたちに近隣の休みがちな子ども、まったく来ない子どもの名前をアンケート。学校が発表している数よりずっと多い。近隣に住む子ども同士でグループを形成し、集団登校。来ない子どもを把握して先生や村長、グループリーダーが学校に誘う。地図づくりをして、休みがちな子どもの家を特定する。教育の重要性を理解していない保護者への説得や、観ると学校に行きたくなる映画の上映も各村で実施。
対象家族の家の変化
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HMB3の対象家族の家。数年後のモニタリング(HMB1,2)。 屋根が立派に。数年後のモニタリング(HMB1,2)。 屋根が立派に。

撮影:2009年から翌年にかけて5回のHMB事業視察、調査時に白川が撮影。
AICAでも同様の事業を実施します。